判断ガイド

リフォームを自分でするときに資格が必要な工事|電気・ガス・水道・エアコン

カバーを外したコンセント、スイッチ、屋外のガス給湯器、蛇口と、ヘルメットを並べたイラスト

先に結論

  • 電気は引掛シーリングへの照明の取り付けなど「軽微な工事」だけが資格不要。コンセント増設、埋め込み型スイッチの交換、直付け照明は電気工事士が必要。
  • ガス給湯器・ふろがまの設置やガス栓の増設は資格者・ガス事業者の領域で、DIYの対象外。
  • 水道は単独水栓の取り替えやパッキン交換など配管を伴わない「軽微な変更」だけが指定業者以外でも可能。
  • 増築は防火地域・準防火地域の外で10㎡以内なら建築確認不要。防火地域・準防火地域では面積にかかわらず確認が必要。

作業カード

難易度
業者に任せたい
作業時間
資格が必要な工事は業者に依頼(工事は半日〜1日が多い)
人数
資格者が施工
自分でやる費用
資格が必要な工事はDIY不可
業者に頼む費用
コンセント増設1万〜3万円、給湯器交換15万〜40万円など

※費用は材料のグレードや地域、現場の状態で変わる目安です。

この記事の目次

コンセントを1つ増やしたい、古い照明を替えたい、給湯器の調子が悪い。ホームセンターに行けば部品も工具も並んでいるので、自分でできそうに思えます。ところが住まいの工事には、法律で資格者や指定業者しか作業できないものがはっきり決まっています。

しかも線引きは「難しいか簡単か」ではなく、法律の条文で決まっています。簡単そうな作業でも資格が必要なものがあり、逆に一見大がかりでも資格が要らないものもあります。ここでは電気・ガス・水道・エアコン・増築について、どこまでが自分でやってよい範囲なのかを法令をもとに整理します。

資格が必要な工事の早見表

先に全体像です。「DIY可」は資格なしで作業してよい範囲、「資格・指定業者」は自分ではできない範囲です。

分野DIYでしてよい範囲資格・指定業者が必要な範囲根拠となる法令
電気引掛シーリングへの照明の取り付け、プラグの差し込み、コードをつなぐ軽微な工事コンセント・スイッチの増設、埋め込み型の交換、直付け照明、専用回路電気工事士法・同施行令・同施行規則
エアコン本体の据え付け・配管(資格要件なし。ただしメーカーは専門業者を想定)専用回路・専用コンセントの新設、電圧切り替え電気工事士法
ガス(都市ガス)テーブルコンロをガス栓にホースでつなぐガス管(内管)の工事、ガス栓の増設・移設ガス事業法(ガス事業者・指定工事店が施工)
ガス(LPガス)同上消費設備の工事のうち省令で定める作業液化石油ガス法 第38条の7
ガス給湯器なし設置・交換(有資格者の監督が必要な特定工事)特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律
水道単独水栓の取り替え・補修、パッキン・こまの交換(配管を伴わないもの)水栓の増設、給水管の延長・移設、給湯器への給水接続水道法 第16条の2、同施行規則 第13条
増築防火地域・準防火地域の外で10㎡以内(建築確認不要)防火地域・準防火地域での増築、10㎡超の増築建築基準法 第6条

以下で分野ごとに詳しく見ていきます。

住宅の分電盤で主幹ブレーカーを切っている手元のイラスト

電気工事:電気工事士法と「軽微な工事」

原則は「電気工事士でなければ作業できない」

電気工事士法第3条では、一般住宅などの電気設備(一般用電気工作物等)の電気工事は、第一種または第二種電気工事士でなければ作業に従事してはならないと定めています。これは業者に限らず、自宅の工事を自分でする場合も同じです。

例外は2つあります。

  1. 軽微な工事(電気工事士法施行令 第1条):そもそも「電気工事」に含まれない工事
  2. 軽微な作業(電気工事士法施行規則 第2条):電気工事ではあるが、資格がなくても従事できる作業

資格なしでできる「軽微な工事」

施行令第1条で定められている軽微な工事のうち、住宅のDIYに関係するのは主に次の2つです。

  • 600V以下で使う差込み接続器、ねじ込み接続器、ソケット、ローゼットその他の接続器や、スナップスイッチなどの開閉器に、コードやキャブタイヤケーブルを接続する工事
  • 600V以下で使う電気機器の端子に電線をねじ止めする工事(配線器具を除く)

ほかに、インターホンやチャイムなどで使う小型変圧器(二次電圧36V以下)の二次側の配線工事も軽微な工事に入っています。

天井の引掛シーリング(照明器具を差し込んで回して取り付ける受け口)に照明器具を取り付けるのは、この「接続器にコードをつなぐ」範囲です。電球の交換や、プラグをコンセントに差し込むのと同じ感覚でできます。

資格が必要な作業の例

一方、次のような作業は電気工事士の資格が必要です。

  • コンセントの増設・移設:壁の中に配線を通し、配線器具を取り付ける作業
  • 壁に埋め込まれたスイッチ・コンセントの交換:配線器具を造営材(壁)に取り付け・取り外し、電線を接続する作業にあたる
  • 直付け照明の交換:天井から出ている電線を器具に直接つなぐ作業
  • 引掛シーリングそのものの取り付け・交換:配線器具の取り付けにあたる
  • 分電盤まわりの作業(ブレーカーの増設など)

自宅の電気工事をしたいなら第二種電気工事士

一般住宅の電気工事は、第二種電気工事士の免状があれば従事できます。コンセントの増設やスイッチの交換を自分でやりたい場合は、資格を取るのが正攻法です。資格を持って作業する場合も、電気設備の技術基準に適合させる義務があります。

エアコン:取り付けと「専用回路」

エアコンの取り付けは、室内機・室外機の据え付け、冷媒配管の接続、真空引き、電源の確保という流れです。このうち本体の据え付けや冷媒配管そのものは、電気工事士の資格要件の対象ではありません。

問題になるのは電源です。家庭用エアコンの業界団体である日本冷凍空調工業会は、工事の注意として「専用回路を使用してください。電源回路容量不足や施工不備があると、感電、火災の原因になります」と示しています。電気工事は電気設備の技術基準や内線規程、メーカーの据付説明書に従って行うよう求められています。

つまり次のようなケースは、電気工事士による工事が必要です。

  • エアコンを付けたい部屋に専用コンセントがない(専用回路を新設する)
  • 既存のコンセントが100V用で、200Vのエアコンを付けたい(コンセント交換と分電盤での切り替え)
  • コンセントの形状がエアコンのプラグと合わない

ガス:都市ガス・LPガス・給湯器

都市ガス:内管工事はガス事業者と指定工事店

敷地内のガス管(内管)は、お客さまの資産であると同時に、ガス事業法上のガス工作物の一部です。日本ガス協会によると、内管工事はガス工作物の技術基準に適合させるため、ガス事業者かその指定工事店が施工しています。ガス栓の増設・移設もこれに含まれ、相談先は契約している地域のガス事業者です。

LPガス:液化石油ガス設備士でなければできない作業

LPガス(プロパンガス)は「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液化石油ガス法)」の対象です。同法第38条の7で、液化石油ガス設備士でなければ、省令で定める液化石油ガス設備工事の作業に従事してはならないと定められています。LPガスの配管や機器接続の工事は、契約している販売店に相談します。

ガス給湯器・ふろがま:特定ガス消費機器

ガス給湯器やガスふろがまは、「特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律」で特定ガス消費機器とされています。経済産業省の説明では、ガスバーナー付きふろがまと、一定の能力(ガス瞬間湯沸器は12kW超、その他は7kW超)を超えるガス湯沸器、およびそれらの排気筒などが対象です。

これらの設置や変更の工事(特定工事)を事業として行う者には、ガス消費機器設置工事監督者の資格を持つ人に実地で監督させるか、資格者が自ら施工することが義務付けられています。つまり、資格者が関わらない形で行う工事は想定されていません。

水道:指定給水装置工事事業者と「軽微な変更」

給水装置の工事は指定業者が原則

水道法第16条の2では、水道事業者(各自治体の水道局など)が「指定給水装置工事事業者」を指定し、給水装置の工事をその業者か水道事業者自身が行うことを給水の条件にできると定めています。条件を満たさない工事がされた場合、給水契約の申し込みを拒んだり、給水を止めたりできます。

例えば東京都水道局では、給水装置の新設・改造(水栓の増設など)・撤去・修繕の工事は、東京都指定給水装置工事事業者に申し込むよう案内しています。

例外は「軽微な変更」

ただし同条のただし書きで、国土交通省令で定める軽微な変更は例外とされています。水道法施行規則第13条の内容は次のとおりです。

単独水栓の取替え及び補修並びにこま、パッキン等給水装置の末端に設置される給水用具の部品の取替え(配管を伴わないものに限る。)

国土交通省も、この軽微な変更と、使った給水管・給水用具が基準に適合していることが確認された場合は、指定業者以外の施工でも給水を拒めない旨を示しています。

整理すると次のとおりです。

  • 自分でできる:同じ位置の単独水栓の付け替え、蛇口のパッキン・こまの交換、トイレタンク内の部品交換(配管を伴わないもの)
  • 指定業者の工事:水栓の増設、給水管の延長・移設・分岐、給湯器や食洗機などへの新たな給水接続

具体的な作業手順はキッチン水栓の交換やトイレのボールタップ交換で解説しています。

増築・構造:建築確認が必要な工事

建築物を建てたり増築したりするときは、工事の前に建築確認を受ける必要があります(建築基準法第6条)。ここで押さえておきたいのが、第6条第2項の例外です。

  • 防火地域・準防火地域の外で、増築・改築・移転する部分の床面積の合計が10㎡以内なら、建築確認は不要
  • 防火地域・準防火地域の中では、10㎡以内でもこの例外は使えない

10㎡はおよそ6畳です。庭に物置を置く、サンルームを付けるといった計画でも、地域の区分によって必要な手続きが変わります。自分の土地がどの地域にあたるかは、市区町村の都市計画の窓口や公開されている都市計画図で確認できます。

また2025年4月施行の建築基準法改正で、建築確認の対象となる建築物の規模が見直されました。国土交通省は、木造戸建住宅の大規模なリフォームは建築確認手続きが必要になると案内しています。屋根・外壁の改修、床・階段の改修などが例に挙がっています。主要な構造部分に手を入れる工事は、DIYかどうかにかかわらず、設計者や自治体への確認が前提になります。

資格が必要な工事を頼むときの費用目安

資格が必要な工事は、どうしても業者に頼むことになります。一般的な目安は次のとおりです(地域・建物の状態・製品で変わります)。

工事業者の費用目安相談先
コンセントの増設(1か所)1万〜3万円電気工事店
直付け照明の交換・引掛シーリングの取り付け5,000〜1.5万円(器具代別)電気工事店
エアコン専用回路の新設1.5万〜4万円電気工事店・エアコン取付業者
ガス栓の増設1万〜3万円前後契約しているガス事業者・販売店
ガス給湯器の交換15万〜40万円(本体込み)ガス事業者・給湯器の専門業者
水栓の増設・配管の移設3万〜10万円指定給水装置工事事業者

資格が要らない範囲と要る範囲を分けて考えると、「自分でやって安くする部分」と「プロに任せる部分」がはっきりします。住まい全体での線引きはリフォームで自分でできること・できないことに一覧でまとめています。賃貸の場合は、法律の前に契約上の制限があるので賃貸でできるDIYはどこまで?もあわせて確認してください。

こうなったら業者に頼む

  • コンセントやスイッチを増やしたい・位置を変えたい
  • 天井の照明が直付けで、引掛シーリングがない
  • エアコンを付けたい部屋に専用コンセントがない、または電圧が合わない
  • ガス給湯器・ガスふろがまを交換したい、ガス栓を増やしたい
  • 水栓を増やしたい、配管を延ばしたい・移したい
  • 物置や部屋を増築したい、壁や柱に手を入れたい

無理に続けて傷口を広げると、最初から頼むより高くつくことがあります。見積もりは2〜3社から取ると相場がつかめます。

よくある質問

電気工事士の資格を取れば自宅の工事は自分でできる?
はい。第二種電気工事士の免状があれば、一般住宅の電気工事(一般用電気工作物)に従事できます。自宅のコンセント増設などを目的に取得する人もいます。
露出型のコンセントやスイッチも資格が必要?
電気工事士法施行規則では、壁の表面に取り付ける露出型の点滅器(スイッチ)・コンセントを「取り換える」作業は資格が必要な作業から除かれています。ただし新しく付ける・移す作業は対象外にならず、一般的な住宅の壁に埋め込まれたタイプは資格が必要です。
キッチンの混合水栓の交換は自分でしていい?
水道法施行規則の「軽微な変更」は、条文上「単独水栓の取替え及び補修」と部品の取り替え(配管を伴わないもの)です。混合水栓の扱いは条文に明記されていないため、気になる場合はお住まいの水道局に確認してください。配管の延長や移設を伴う場合は指定給水装置工事事業者の工事です。
エアコンの取り付け自体に資格は必要?
室内機・室外機の据え付けや冷媒配管そのものに電気工事士の資格は求められていません。ただし専用回路・専用コンセントの新設や、コンセントの形状・電圧の変更は電気工事にあたるため資格が必要です。
ガスコンロの交換も資格が必要?
テーブル型のガスコンロをガス栓にホースでつなぐのは一般的に利用者が行う範囲です。ビルトインコンロの接続や、ガス栓の増設・移設はガス事業者や有資格者の工事になります。

参考にした資料

クレオンDIY編集部

住まいのDIYを「自分でやるか、頼むか」で判断できるように、メーカーの施工説明書や公的機関の情報をもとに記事を作っています。法令や製品仕様が変わったときは記事を更新し、更新日を明記しています。

※本記事は2026年9月28日時点の情報にもとづく一般的な解説です。作業はご自身の判断と責任で行い、製品の取扱説明書・施工説明書の指示を優先してください。電気・ガス・給水装置の工事など資格が必要な作業は、有資格者や指定業者に依頼してください。